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健康的な食事であること
スポーツフードの最初の目的は、何と言っても体づくりです。体を養うのは食事であり、その内容や食べ方によって体の状態は変わってきます。筋肉のために単にタンパク質を摂るだけでは、全身を使って運動性能を発揮するスポーツには不十分です。
スポーツフードは筋力や体力を増やすだけでなく、日々の体調を整え疲れを取り、体のコンディションを万全に保つ作用が求められます。タンパク質を摂って筋力増強を狙うのはその目的の一部であり、筋力を発揮するためには、そもそも運動できるコンディションでなければなりません。
一言で言うとすれば、健康的な食事であるということです。つまり、全般的に健康を考慮した食事に、よりスポーツに特化した目的を加味していくのが理想的なスポーツフードです。
バランスの取れた栄養素で体を支える
食事の基本そのものでもありますが、まずは必ず「主食・主菜・副菜・スープ・フルーツ・乳製品」を摂取することが求められます。こうしたメニュー全体の作用で体を養い、運動能力や体力を高めていきます。タンパク質が多ければ十分、ビタミンを摂っていれば十分、という訳ではありません。
なぜなら、体の機能は非常に多くの栄養素に支えられており、それらをすべて十分に機能させるには、どれかが欠けてはいけないからです。例えば、よく走るスポーツは体力が求められます。しかし、同時に思考力も酷使しており、脳へのエネルギー供給もしっかり行われる必要があります。
スタミナのみを考えてメニューを組んでしまうと、体の機能全体を動かすのに必要な栄養素が偏ってしまいます。とにかくカロリーを摂る、あるいはとりあえずメインの食材を充実させる、といった偏ったアプローチでは、必要な体づくりは達成できません。
体力や体づくりは一朝一夕ではできません。普段のコンディション、普段の体力が向上しない事には、スポーツで活きる体にはならないのです。
ケガや障害に強い体を作る
スポーツで起こりやすい、ケガや障害を防ぐ食事も必要です。よくあるのは貧血です。最近では体力強化が叫ばれており、一流アスリートでも毎日ひたすら地味な基礎練習を欠かさず行うことが求められます。
そのような現場で起こりがちなのが貧血で、トレーニングや鍛錬の効果を妨げてしまう隠れた強敵です。貧血を防ぐには鉄の摂取が不可欠となりますが、例えば緑茶などを飲んでしまうと、鉄の吸収を妨げてしまい、いざという時に力を発揮できません。
また、カップラーメンやスナック菓子などに含まれるリンを多く摂リ過ぎしまうと、カルシウムの摂取を阻害してしまいます。食べ合わせや吸収効率を考えるのもスポーツフードです。